無題ドキュメント
からだにやさしいうなぎのお話

謎に包まれたうなぎの生態。

うなぎとは、世界中の熱帯から温帯にかけて分布するウナギ科ウナギ属の魚類(18種)の総称で、日本には、ニホンウナギ、オオウナギ、ニューギニアウナギが生息しています。
日本でみられるウナギは川や湖に生息するため淡水魚と思われがちですが、実は海で産卵・ふ化し、淡水にさかのぼってくる「通し回遊魚」の仲間。その生態には謎が多く、中でも産卵場所については長い間ベールに包まれていましたが、2009年に東京大学大気海洋研究所の塚本勝巳教授らが、日本列島から2500km離れた太平洋マリアナ諸島付近で成熟したウナギ親魚や、ふ化後間もない仔魚の捕獲に成功したことでようやく解明されました。
マリアナ諸島付近で生まれたうなぎは、仔魚(※レプトケファルス)となって海流に乗り、成長とともに変態しながら数ヶ月の旅を続け、やがて日本の沿岸・河口域に到達。成熟すると再び産卵のために海に戻り、一生を終えるとされています。
※レプトケファルス…ウナギ目などの仔魚(幼生)で、薄く透明でやなぎの葉のような形状。。

日本での“食”の歴史。

日本では、5000年前の縄文遺跡の貝塚をはじめ、数々の貝塚からうなぎの骨が出土していることから、古代の人々にも馴染みのある魚だったと推測できます。
うなぎが初めて文献に登場するのは、日本最古の和歌集として知られる万葉集で、大伴家持が吉田連老に宛てて「石麻呂に 吾れもの申す夏痩せに よしといふものぞ 武奈伎(むなぎ) とり食(め)せ」と歌を寄せています。
この歌に登場する“武奈伎”とは鰻のことで、歌の中で家持は、夏痩せした友人に鰻を食すように勧めていることから、当時から鰻が滋養強食として知られていたことがわかります。
うなぎイメージ また文献によれば、平安時代の貴族はうなぎを白焼きにして食べていたとの記述もあるようですが、うなぎが広く庶民に食べられるようになったのは、江戸時代から。江戸湾の干拓事業で多くのうなぎが獲れるようになったためで、うなぎのことを「江戸前」と呼び、蒲焼きが大流行しました。
ただし、この当時の蒲焼きは、筒切りにしたうなぎを串に刺して焼いたもので、その姿が蒲の穂に似ていることから蒲焼と呼ばれるようになったとか。その後、江戸で濃口醤油が開発されると、うなぎをタレに付けて焼くようになったとされています。
美味として流行したことはもちろん、江戸時代の医書には、様々なうなぎの薬効が記されていることからも、万病に効く妙薬としても知られていたことがわかります。

蒲焼き東西対決!

うなぎ料理と言えば蒲焼ですが、関東では裂き方も調理法も異なります。関東では、背開きにして二つに切って竹串を刺し、白焼きにしてから蒸します。その後、タレをかけながら再び焼いて仕上げるというスタイル。
一方関西では、腹開きにしたうなぎを頭をつけたままで金串に刺し、炭火で焼いて仕上げます。
焼き方も関東は皮のほうから、関西では身のほうから焼いていきます。蒸しの行程が入る関東風はふっくらとやわらかく、関西風はパリッと香ばしいとされますが「裂きは3年、串8年、焼き一生」と言われるように、おいしい蒲焼をつくるためには、熟練した職人の技が求められます

土用の丑の日にうなぎを食べるのはなぜ?

土用の丑の日といえば、夏と思われがちですが、実は土用とは、暦の上での立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間であり、次の季節へ移る前の調整期間のようなもの。
夏の土用にうなぎを食べる風習の起源には諸説ありますが、一説には、江戸時代の蘭学者の平賀源内が知人の鰻屋の宣伝のために、「本日、土用の丑の日」と看板に書いたことが起こりとされています。物知りで知られる源内は、うなぎが滋養強壮食であることを解っていて、夏の土用にうなぎを食べることを宣伝したのかもしれませんが、その辺りは定かではありません。
いずれにしても、夏バテ防止にうなぎを食べることは理に適っていることから、現在まで続く風習となっています

からだにうれしいうなぎ効果

うなぎは万病に効くスタミナ源!

うなぎは、古来から万病に効く妙薬として知られるほど、栄養豊富な食品です。まず注目したいのが、豊富に含まれるビタミンA。ビタミンAは、目、肌、髪、爪などを健康に保ち、美容にも効果的なうれしい成分。うなぎにはこのビタミンAが100gあたり1500μgも含まれており、蒲焼一人前で大人が一日に必要なビタミンAを充分まかなうことができます。
また、良質のたんぱく質に加え、疲労回復に効果的なビタミンB群や、老化を防ぐとされるビタミンEもたっぷり。健康な骨や歯を維持するために必要なビタミンDや、ミネラル(鉄、亜鉛、カルシム)などの栄養素もバランス含んでいます。
さらに、うなぎには、血中のコレステロール値を抑制するDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)も多く含まれ、動脈硬化などの生活習慣病の予防にも一役買ってくれます。うなぎが古くから滋養強壮の代名詞と呼ばれるのは、こうした高い栄養価のためなのです。

うなぎ(蒲焼)成分表 ( 可食部100gあたり)※文部科学省「五訂食品標準成分表」より
(1)夜盲症や目の乾燥を防ぐ。
うなぎにふくまれるビタミン類の中でもっとも多いのがビタミンA。ビタミンAは、上皮組織や粘膜を保護する働きがあり、夜間の視力の維持を助ける網膜内のロドブシンの主成分でもあるため、暗いところでものが見えにくい夜盲症の改善にも用いられます。目の粘膜である「角膜」と「結膜」を保護して、目の表面を乾燥から守ってくれるので、ドライアイなどにも効果的。。
(2)うなぎで疲労回復、スタミナアップ!
夏バテ予防で知られるうなぎには、疲労回復に効果があるとされるビタミンB1や口腔内や髪、爪、皮膚などを健康に保つビタミンB2がバランスよく含まれています。これらのビタミンは糖と脂質をエネルギーに変えるときに必要なビタミンであり、ビタミンB1が不足すると疲れやすくなったり、イライラするなどの症状が起こりやすくなります。うなぎが「スタミナの素」言われる由縁は、ビタミンB群が豊富なことにも隠されているのです。
(3)うなぎを食べると頭が良くなる!?
うなぎの脂質に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)は、脳や神経組織の発育・機能維持に不可欠な成分。DHAを摂取することにより、脳がスムーズに情報伝達を行うことができ、記憶力や学習能力の向上にもつながるといわれています。また、DHAは、がんや心臓病、高血圧、糖尿病、動脈硬化などの予防・改善にも効果があるとされています。
(4)コレステロールを抑えて血液サラサラ
うなぎの脂質に含まれる不飽和脂肪酸のひとつEPA(エイコサペンタエン酸)は、血液中の悪玉コレステロールを減らし、血液の流れを正常にするとされています。また中性脂肪を下げる働きもあり、脳卒中や動脈硬化、生活習慣病の予防にも役立ちます。
(5)老化を防いで、若さを維持!
うなぎには、若返りのビタミンと呼ばれるビタミンEも豊富。抗酸化作用により、体内の細胞の酸化による老化を防いでくれるので、若さを保ち、血中コレステロール値を下げる作用でも注目されています。
(6)コラーゲンとムチンで美肌をキープ。
うなぎの皮の周辺には、肌のハリと潤いを保つ良質なコラーゲンがたっぷり含まれています。また、うなぎのヌルヌルのもとであるムチンは、納豆やヤマイモ、サトイモなどのネバネバと同じ成分で、保水力に優れていることから、美容の面でも注目されています。
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